思うところあり

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第6回 電子書籍って?  更新日(2004/12/18)


 私は普段はサラリーマンをしています。とある全国チェーンの書店に就職し7年が経ちました。その間に時代は大きく変化しました。「思うところあり 第2回 インターネットの功罪」でも触れましたが、1990年代後半から21世紀初頭にかけては、間違いなくデジタルエポックの幕開けとして歴史に記憶されることになるでしょう。アナログはその姿を潜め、あらゆる分野でデジタル化が急速に進んでいます。ミュージックテープはCD、そしてMDに。ビデオテープはDVDに置き換わりました。手紙はEメールの利便性に駆逐され、新聞はインターネットの即時性に対応できなくなりました。カメラはフィルムカメラがデジタルカメラに取って代わられつつ、いや、すでにフィルムが反主流として位置づけられています。そしてその波は今や、不滅と思われていた出版物にまで及んでいるのです。

・電子書籍なるもの

 まだ聞きなれない言葉であると思われますが、携帯のコンテンツやインターネットのサイトでは、すでに認知されています。
どういうものかというと、今まで本屋で販売されていた小説やエッセイなどをインターネット上で販売し、購入者はそれをダウンロードすることで、パソコンのモニター上で読書を楽しめるというものです。「amazon」などの書籍通販と違い、本そのものではなく、その中身のみをパソコン上で楽しめるという新しい形態のビジネスです。

・電子書籍のメリット

1.本屋に行かなくて済む
実はこれが書店に一番脅威なんですが、自宅にいながらにして本を購入し、すぐに読書ができると言う点です。
2.在庫が豊富
まだまだこれからの課題でしょうが、自宅にいながらにして大量の在庫の中から読みたい本を選択できます。また基本的に品切れや売り切れがありません。
3.コストが安い
出版社にしてみれば、電子書籍になることで在庫のリスクを考える必要がなくなります。多くの中小出版社が返品により倒産に追い込まれている現状を考えれば、そのメリットは計り知れないものになるでしょう。
3.改編が容易
特に地図や情報誌、辞書などの改編が頻繁に必要な分野においては、その手間やコストを考えると大きなメリットです。また読者も常に最新の情報に接することが出来るわけで、その点はインターネットによる情報発信と同じメリットと言えます。
4.選択肢が増える
先にあげたコストに関わってきますが、最近は出版社も返品を恐れて、簡単に本を出版しませんし、部数も多く刷りません。ですが、電子化することでそのリスクがなくなるため、多種多様の商品がネットショップに並ぶことになり、読者にとっても選択肢が増えます。

 一般に電子書籍が流通するとこういったメリットがあると言われています。ですが、デメリットも確かに存在します。

・電子書籍のデメリット

1.存在がないに等しい
別に電子書籍に限ったことではないのですが、デジタルデータには実態がありません。従って基本的にデータに何かが起こると、すべてが無に帰す危険性と常に隣り合わせという状況です。
2.陳腐化する
メリットの4番に関連しますが、多種多様の商品が出回るため読者が逆に商品を絞れなくなります。HPサイトの「需要<供給」の方式になり、良書に巡り合う機会が減少します。売り手次第でしょうが・・・
3.人間との相性
今後のモニターやソフトの進歩次第でしょうが、現時点ではパソコンのモニターで文章を読むことは、紙を媒体する場合にくらべ、人間(特に目)への負担は大きいです。

 こんなところでしょうか?こう考えると確かにメリットの方が大きいように感じます。間違いなく近い将来には、「紙」を媒体にした書籍に変わって電子書籍が主流となって来るでしょう。ですが、私はこの流れに無条件に乗るつもりはありません。

・「本」という宝物

 私が仕事をしているのはもちろん家族を養っていくためですが、書店を仕事場に選んだ理由は「本」や「本屋」そのものが好きだからです。それは「本」が確かに存在し、「実態」として手ごたえが感じられるからです。本屋に入るとワクワクしませんか?お気に入りの本を見つけたらカバーをかけて大切に保管しませんか?ですが、残念ながら電子書籍にはそういうった感情が沸いて来ないのです。確かに電子書籍も大切にバックアップを取って保管すると思いますが、そのCD−ROMに愛着は沸きません。(たぶん)
 
 これはおそらくカメラの世界にも通じる部分があると思います。私はデジタルカメラが嫌いではありませんが、やはり「実態」として手ごたえの感じられるフィルムカメラで撮影した写真に愛着が沸きます。プリントしてしまえば同じなんですが、ポジフィルムの原版は世界に一つしか存在しないことを考えると、まさに私にとっては至高の価値を持つ宝物となります。あくまでこれは私の嗜好の問題なのですが、みなさんはこの「電子書籍」どのようにお感じになりますか?

 最後に、現在最も流通が盛んな電子書籍のショップサイトをご紹介して、終わりたいと思います。

「電子書籍店 ビットウェイブックス」 http://books.bitway.ne.jp/


2004/12/18
管理人 tomozo


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