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・レンズ欲しい病
一眼レフカメラの魅力の一つに「多彩な交換レンズ」があります。初めてカメラを買う場合は交換レンズがセットになった「レンズセット」を購入される場合が多いと思いますが、ある程度撮影に慣れ、カメラに対する知識も増えてくると、最初にセットで付いてきたレンズ以外のレンズに興味が沸くものです。ショップに通い、カタログを片時も手放さず、ネットショップでしげしげとめぼしいレンズを検索しだしたら危険な兆候です。いわゆる「レンズ欲しい病」にかかっています(笑)。この病、実に厄介で、治療する方法は、そのレンズを購入する以外にありません。しかし購入したレンズが使いにくかったり、使用頻度が低かったりするとそのレンズは買った値段よりはるかに安い金額で下取りに出されてしまうことでしょう。交換レンズはとても高価なもので、ものによってはレンズだけで最高級のデジタル一眼レフが買えてしまうものまであります。「レンズ欲しい病」は必ず誰しもかかる病気ですから、なるべく「陽性」であるためにも、最低限の知識は身につけておきましょう。
・なぜレンズが欲しいのか
これが一番大事です。ここが中途半端だとどんな優秀なレンズでも下取り確定です。まずは自分がなぜ新しいレンズが欲しいのか冷静に考え直してみましょう。以下に「なぜレンズが欲しいのか」の例を書いてみます。
| ・風景を撮影したいが、手持ちのレンズでは広角側が足りないので、超広角レンズが欲しい。 |
| ・花の接写をするが、より大きく写せるようマクロレンズが欲しい。 |
| ・カーレースを撮影するが、手ブレが気になるので手ブレ補正付のレンズが欲しい。 |
| ・ポートレートメインだから、背景を大きくボケさせる大口径レンズが欲しい。 |
| ・散策をしながらのスナップ写真が好きなので軽量コンパクトな単焦点レンズが欲しい。 |
・・・・などなど。様々な理由が考えられますが、こういった購入の動機をはっきりさせておくことで失敗しない交換レンズの購入の扉が開かれるわけであります。
・レンズのスペックを知る
さて購入の動機も明確になり、いよいよ交換レンズの選択に入るわけですが、最低限知っておきたいレンズのスペックについ説明しておきましょう。下にキヤノンのレンズを例にスペックの見方をご紹介します。基本的にそのレンズの商品名を見れば大体のスペックは見てとれるようにメーカーも商品名を工夫しています。これらのスペックを読み取った上でどれくらいの性能のレンズが必要なのか見えてくるはずです。
| スペックの見方 |
| ・メーカー名 |
特に説明は不要ですね。 |
| ・レンズマウントの種類 |
そのレンズが使用できるカメラのマウントを示しています。上記の例の場合は、キヤノンのEFマウントに対応したボディに装着できることを意味しています。 |
| ・焦点距離 |
そのレンズの焦点距離を示しています。上記の例の場合は広角側で70mm、望遠側で200mmまで可変ズームできることを意味しています。単焦点レンズの場合はここの数値は一つだけになります。 |
| ・開放絞り値(口径比) |
そのレンズの絞り(F値)を開放値で示しています。逆に言えばこれ以上絞りを開けることができないと言う意味です。数値が2つある場合は、広角側と望遠側でF値が変化することを示しています。数値の小さいレンズを明るいレンズ、大きいレンズを暗いレンズという表現をする場合があります。 |
| その他 |
メーカーによって違いがありますが、上記の場合は「Lレンズ」(キヤノンでいう高級レンズ)であり、USM駆動による焦点調節を行うという意味になります。 |
他にもキヤノンの場合は、「レンズ構成」であったり、「対角線画角」であったり細かなスペックがカタログに載っていますが、上記以外はそれほど神経質になる必要もないかと思います。しかし非常に大事なスペックもありますので、押さえておくとよいでしょう。
| ・フィルター径 |
フィルターも高価なものなので、できれば手持ちのフィルターが使えるレンズを選択したほうが効率がいいですね。しかし無理にあわせる必要もないかもしれません。 |
| ・最短撮影距離、倍率 |
特に接写を行う場合には重要になってきます。また最短撮影距離が短ければ短いほど、背景のボケは大きくなりますので、ここもチェックしておきたいですね。 |
| ・重量 |
あまりに重いレンズは取り回しがキツく疲れます。使用目的に合わせて重量もチェックしておきたいものです。 |
・ズームか単焦点か?
次の選択として重要なのは「ズームレンズ」にするか「単焦点レンズ」にするかの選択です。以下にズームレンズ、単焦点レンズの特徴を一覧にしてみました。ただしあくまでこれは一般論であってすべてのレンズにあてはまるものではありません。
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ズームレンズ |
単焦点レンズ |
| 焦点距離 |
なんといってもその機動性。狙った通りにピタリとフレーミングできます。また可変域内で好きな焦点距離を選択できます。よく言われるズームの欠点が、ズーミングで手軽にフレーミングできるため、ズームに頼りきった画面構成しかできなくなること・・・(はぁ??) |
焦点距離は一つしか選択できないため、フレーミングには自分が動く必要がある。逆に言えばズームしないということは焦点距離が不用意にズレないということであり、確実性があること。 |
| 開放F値 |
広角側で最も明るく望遠側に行くと暗くなるズームレンズが多くあり一般的です。何枚ものレンズを重ねて補正するズームレンズの場合は開放F値は単焦点レンズに比べてどうしても暗くなってしまいます。 |
単焦点レンズの大きなメリットはこの開放F値の小ささにあります。明るいレンズは、ファンダーも明るくなり、早いシャッタースピードが使用でき、ボケも大きいといった様々なメリットがあります。 |
| 大きさ・重さ |
ズームという機構を詰め込むため、どうしても大きく、重くなりがちです。 |
機構が単純なため、ズームレンズに比べはるかに小型・軽量です。 |
| 描写力 |
複数のレンズで補正しているため、構造的に無理があり、収差は大きくなります。しかし最近のレンズは驚くほど改善されています。 |
構成するレンズの枚数が少ないため、クリアで収差の極めて少ない描写が期待できます。 |
・純正かレンズメーカーか?
純正レンズのメリットは、そのカメラに特化したレンズであるため、やはり描写力や使い勝手が優れているという点です。一方のレンズメーカーのレンズは複数メーカーのカメラに搭載されることを前提に基本設計がされているため、純正に比べると使い勝手、描写力ともに中途半端になるかもしれません(例外は多々あり)。また純正レンズは価格が高く、一方のレンズメーカーのレンズはかなり安く購入できます。肝心の使い勝手や描写力はこの価格差ほどないと思いますので、購入しやすいレンズメーカーのレンズが選択肢から外れることはないでしょう。
・予算と相談
そしていよいよ予算の設定です。上を見たらキリがないのが交換レンズの世界ですから、「予算の許す範囲で必要なスペックを満たすレンズ」を根幹に選択してゆきましょう。決してブランドや見た目に惑わされてはいけません。またボーナスはたいてローンを組むなんてこともやめましょうね(笑)。経験的に、設定した予算より1割〜2割下回るレンズが見つかれば「いい買い物をした」と思えるかもしれません。
・インターネットの掲示板などの活用
鵜呑みにしてはいけませんが、かなり参考になるのがインターネットの掲示版で見かけるレンズの評価です。実例を示して比較してくれていたり、使用してみたフィーリングや、スペックには現れないメリット・デメリットも見えてきたりするので大いに活用してください。しかし決断するのはあなた御自身であることは変わりありませんので、あくまで参考程度にとどめておいてくださいね。
以上、正しい「レンズ欲しい病」のかかり方(笑)について解説してきました。これがすべてではありませんが、高い買い物になりますので、せめて悩みに悩みぬいてから購入しましょう。きっとそのレンズは下取りに出されることなく、末永くあなたと共に素晴しい作品を作り出してくれる味方になってくれるはずです。
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