写真・カメラの基礎知識

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第18回 写真の「遠近感」とは?  更新日(2005/7/25)

 よく「遠近感」「立体感」という言葉を耳にします。通常私達は両方の目で事象を捉えています。その二つの目から入る情報を脳内で一つに処理することで、遠近感や立体感を感じ取るわけです。しかし写真の場合は一つのレンズで画面を写し取ります。いわば、片方の目で事象を捉えているのと同じ状態なのです。片目で見ながらお箸でご飯粒を摘むのはかなり難易度の高い作業ですよね?
 しかし写真でも遠近感や立体感を表現することはできます。「近いものは大きく、遠くのものは小さく見える」という人間のパターン認識を利用して遠近感や立体感のある写真を作り上げることが可能なのです。今回は「遠近感と立体感」のある写真を撮るための基本的な知識とテクニックについて解説したいと思います。
※ちなみに「遠近感や立体感」のことを写真用語でパースペクティブ(パース)と呼んでいます。

・広角レンズで被写体に近づく

 「広角レンズ」とは焦点距離が28mm位までのレンズを指し、「望遠レンズ」は焦点距離が100mmくらいからのレンズを一般的にこう呼びます。これら二つのレンズはその名前の通り「広角レンズ」=広い角度(画角)を写すレンズ。「望遠レンズ」=遠くのものを写すレンズです。確かに間違いではありませんが、広い場所だから広角レンズ、遠くを写すから望遠レンズという使い方では、写真に遠近感を持たせることはできません。遠近感や立体感を持たせるためには、これらのレンズの特性をさらに詳しく知る必要があります。
まずは下の写真をご覧ください。これは同じ場所から焦点距離を変化させて撮影したものです。

17mm 28mm 50mm
100mm 200mm 500mm

 焦点距離が長くなるにつれて遠くの被写体が大きくなるのが見て取れます。これが一般的な広角レンズと望遠レンズの使い分けですね。さらに下の写真をご覧ください。これは被写体の大きさを同じにし、後ろに後退しながら焦点距離を変化させて撮影したものです。

17mm 28mm 50mm
100mm 200mm 500mm

 違いがお分かりいただけましたか?被写体である石碑は同じ大きさなのに、その背景がレンズの焦点距離によって変わってきています。これは広角レンズは「近いものを大きく、遠いものを小さく写す」効果があり遠近感が強調されますが、逆に望遠になるほど逆に背景が迫って見えて(これを望遠レンズの圧縮効果と呼びます。)くる効果を利用したものです。

写真に遠近感や立体感を表現したい場合は広角レンズで被写体に近づくことで強調されるようになるわけです。

・背景を選ぶ

しかし、いくら広角レンズで被写体に寄って撮影したとしても、肝心の背景が奥行きのない場所だと意味がありません。できるだけ遠くまで見渡せる背景を選択することがコツです。

・広い場所や奥行きのある場所を背景に選ぶ

・角度をつけて撮る
 もう一つ、手軽に遠近感(ここでは立体感)を表現する方法が「斜めに撮る」です。正面から捕らえるとのっぺりと見えるものが横に角度をつけ、さらに上下に角度をつけることで物体に遠近感がつき(レンズに近くの物が大きく、遠くのものは小さく)、物体を立体的に見せることができます。これは物体のディフォルメ効果を利用したもので、人物撮影などではローアングルで狙うと頭部が小さく、足は長く写す事ができるため、定番となっています。

正面から撮影 右に移動して撮影 さらに上から撮影


・背景のボケを利用する。

第17回「写真のボケ表現と被写界深度」でも触れましたが、望遠レンズは被写界深度が浅く、背景を大きくボケさせることができます。これを利用して被写体を浮かび上がらせることで写真に立体感を持たせることもできます。

・背景をボケさせて被写体を浮かび上がらせる


 以上、写真における遠近感とその簡単なテクニックを紹介いたしましたがいかがだったでしょうか?ほかにもアングルの違いや横位置、縦位置の違いなどによっても遠近感や立体感を演出することもできます。まずは上記にあげたテクニックを駆使してできるだけ立体的に見せるよう撮影に際に気を配ってみてください。



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