写真・カメラの基礎知識

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第17回 写真のボケ表現(被写界深度)  更新日(2004/1/8)

 第9回「ピンボケとブレ(前編)」でピンボケ写真とその防止法についてご説明しましたが、今回はその写真独特の表現技法「ボケ」と「被写界深度」の関係について詳しく解説いたします。

・写真のボケの活用法
 
 今回取り扱うテーマ「ボケ」とは、いわゆる失敗写真の「主要被写体がピンボケしている」のではなく、主要被写体を浮かび上がらせて強調するために、あえて背景を「ボケ」させる写真表現の技術の一つのことです。下の写真をご覧ください。これらの写真はすべて、撮影者が意図的に背景を「ボケ」させたものです。失敗写真のピンボケとは違うのがお分かりいただけるかと思います。

・写真のボケの活用法(後ボケ) ・写真のボケの活用法(前ボケ)
後ボケ 前ボケ
・写真のボケの活用法(点光源) ・写真のボケの活用法(二重露出)
写真準備中 二重露出

 このように、意図的にボケさせる(ボケをコントロールする)ことで、単純な静止画ではなく見た目に印象的な写真に仕上げることが可能になります。

 写真表現技法の「ボケ」をコントロールするためには、「被写界深度」について理解しておかなくてはなりません。「被写界深度」とはわかりやすく言えば「ピントが合う奥行き」のことです。

・被写界深度とは?

 下のイラストをご覧ください。被写界深度が浅い場合と深い場合のピントの合う奥行きを図式化したものです。イラストの薄いブルーの部分のみピントが合い、それ以外の場所はボケています。

A 被写界深度が浅い B 被写界深度が深い
絞り数値 F2.8 絞り数値 F22

・被写界深度を決定する3要素

 さて、被写界深度についてはご理解いただけたかと思われます。では、撮影者が被写界深度をコントロールするにはどうすればよういのでしょうか?被写界深度は次の3要素によって決定されます。

1.レンズの絞り
レンズの絞りを開放したほうが(絞り値が小さい)被写界深度は浅くなります。逆に絞り込めば(絞り値が大きい)被写界深度は深くなります。
2.レンズの焦点距離
レンズの焦点距離が長いほど(数値が大きいほど)被写界深度は浅くなり、逆に短いほど(数値が小さいほど)被写界深度は深くなります。
3.被写体の距離
カメラとピントを合わせる被写体との距離が近いほど被写界深度は浅くなり、逆に遠いほど深くなります。

 つまり、望遠レンズで絞りを開放し、近づいて撮影すれば最も被写界深度が浅くなり、逆に広角レンズで絞り込み、離れて撮影すれば被写界深度は深くなります。撮影者はこれらの要素を踏まえながら、被写界深度を調節し、写真のボケをコントロールするのです。
 
 大抵の一眼レフカメラには、プレビューボタンが付いており、これを押し込むことで、実際の撮影時にどれくらい背景がボケるのかを確認することができますので、上手に活用しましょう。(ファインダーでの像は常に絞り開放の状態です。)

・補足・・・というか蛇足

下記はこの被写界深度を求める際に利用される計算式ですが、はっきりいって理解する必要はありません。(笑)

前方被写界深度 後方被写界深度
δ・・・許容錯乱円の直径(一般的に0.033umくらいです)  F・・・レンズのF値
L・・・被写体までの距離  f・・・レンズの焦点距離


さらに下のアイコンをクリックすると被写界深度をエクセルで計算するためのシートをダウンロードできます。お暇な方は試してみてもおもしろいかもしれませんヨ。  

被写界深度計算表ダウンロード 

←被写界深度計算表(lzh圧縮 エクセルファイル)ダウンロード



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